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仕事のやりがいと実態

先日、ニュースサイトで【「大変そうだと思う仕事」1位は介護士】という記事を見かけました。
ランキングでは、1位が介護士、2位がドライバー、3位が保育士となっていました。
また、国税庁の民間企業給与実態調査によると、福祉・医療業界の平均給与は404万円で、全体の10位に位置しています。一方、1位の電気・ガス・熱供給・水道業は775万円で、給与差は370万円以上にもなります。
さらに、この調査では「福祉」と「医療」が一緒に扱われているため、福祉業界単体で見た場合、実際の給与はさらに低くなることが予想されます。

「大変そう」な仕事なのに「給与は低い」実態

この結果だけを見ると、福祉業界に積極的に就職しようと考える人々は給与を求めず、「やりがい」を求めているのだろうと感じます。しかし給与面の課題で生活が厳しいこともあり、やりがいには限界があると私は考えています。
介護、保育、障害福祉、困窮支援など、福祉に関わる仕事は社会のセーフティーネットとして、重要なインフラを支えています。
しかし、給与実態を見ると、他の社会インフラに関わる業種と比べて待遇が悪いという現実があります。
国は福祉職の処遇改善に取り組んでいるものの、他の業種との差を埋めるにはまだ時間がかかるのが現状です。

「やりがいのある仕事だから」

また、福祉職にはよく「やりがいのある仕事だから」といった言葉がつきまといます。
「社会貢献や人助けができる仕事だから、きつくても給与が安くても仕方ない」といった言葉の裏には、「やりがいの搾取」という問題が潜んでいます。
こうした言葉は、福祉職のような業界で働く人々に対し、精神的な満足感を重視しすぎて、労働条件や給与を軽視することを助長する恐れがあります。

では、他の仕事には「やりがい」がないのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。私自身もアルバイトを含め、様々な仕事を経験しましたが、どの仕事にも「やりがい」は存在しました。
「やりがい」とは、給与や待遇から差し引かれるものではなく、それらに加わるプラスの要素であるべきです。
「やりがい」が強調される職場こそ、仕事環境の改善が重要であり、過酷な条件で働かされることがあってはなりません。

福祉職が低待遇である理由

では、なぜ福祉職は待遇が悪いのでしょうか?
その理由の一つとして、「福祉には生産性がない」という誤解があります。しかし、これは短絡的な考え方です。
福祉には、直接的・間接的な生産性が確実に存在しています。
例えば、就労継続支援事業所では、利用者が物を作ったり、サービスを提供することによって直接的な生産性が生まれています。
また、生活介護施設では、利用者の支援を通じて、家族が外で働けるようになり、結果的に社会全体の生産性を高めています。

しかし、これらの生産性が見過ごされ、福祉業界の待遇改善が進まない一因として、業界全体の発信力不足も挙げられます。
国も毎年のように処遇改善の見直しをおこなっておりますが、まだまだ十分ではありません。
こういった状況を知ってもらうため、もっと積極的に福祉職の重要性を発信し、社会全体に理解してもらうことが求められます。
そのために業界全体の底上げが必要であり、そうしなければ「大変な業界で、人が集まらない」という現実は続いてしまうかもしれません。

結論

結論として、まだ、あゆみ工房の求人募集は続いています。
ただし、文責者の私は求人内容について具体的に言及する立場にはありませんので、詳細については直接お問い合わせいただければと思います

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